パリの市場と野菜たち-⑶

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季節を感じ食するパリの市場

 

市場の中に身を置くと様々な季節の匂いに包まれます。

野菜や果物の前を通る時は、植物の呼吸を感じるような

清凉な空気に包まれ、ふと息を吸い込むと柑橘の爽やかな香りがあり、

乳製品、フロマージュの前ならその濃密な匂いで

自分がフランスにいることをはっきりと自覚できる大好きな時でもあります。

 

季節は秋、土と木の湿った匂いはたくさんの種類のきのこ。

一角を埋め尽くす「きのこ」の香りはこの季節を象徴しています。

きのこは野菜とは区別され菌類となるようですが、

それはともかく、この季節のキノコはレストランの主役になりうる

とても尊重される素材。

 

その筆頭はトリュフ。市場が立つ季節に訪れたペリゴール。

黒く妖艶な香りを放つ魅惑のトリュフを

分銅を使った秤にのせながら、この黒いダイヤモンドを買うのか、

買わないのか・・・これは小さいけど香りが良く、

もう一方のは色が深く形もいいよ、などなど。

そんな会話が永遠と続く市場。

フランスらしい風景が街に溶け込んでいます。

手に取りすぐにでも調理し食べたくなるような見事なセープ。

たっぷりとバターを使いソテーをした時の香り、

クリームで軽く煮込んだ時に立ち上がる香り、

カプチーノ仕立てのスープの品のある香気。

 

相性の良い素材は数え切れないほど。

赤い肉、白い肉、魚や甲殻類などを引き立てることもできながら

主役にもなれるフランスを代表する味と香りが大好きです。

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