街並に溶け込んでいるパリの市場
常設でいつでも利用できる市場通り、
広場やアヴェニュ(大通り)に曜日が決まめられ開設される市場。
早朝から始まる市場の開設準備を見るのは、いつもパリを訪れる時の楽しみの一つ。
肉と肉加工品はシャルキュトリー、
チーズをメインにクリームやバターを扱うクレムリー、
氷を敷き詰めた上に並ぶ魚を扱うのはポワソニエ・・・
次々に手際よく並べられる食材のなかでひときわ色鮮やかなのは野菜と果物。
レギュミエと呼ばれるその店舗の並べ方のこだわりは大変なもの。
色やかたちを考え、独自のディスプレイになるよう仕上げていきます。
その中でひときわ色鮮やかな「トマト」
艶やかで活き活きとし、はち切れんばかりのその形は
料理心を刺激します。
どんな食感なんだろう、
酸味は?甘みは?
青臭さがどの程度?包丁を入れた時に何が伝わってくるのか・・・
火を入れたほうがいいのか、生で食すならどんな切り方がいいのか、
取合せるのは魚、肉、チーズ・・・頭の中で次から次へと知りたいことが湧き上がってきます。
それはその
野菜の持つ「力」を感じるから。
野菜の中に秘めているその力はその色や形から伝わってきます。
フランス料理の特徴的なものに
総合的に味を統合させる。
があるように考えています。
素材が増えれば増えるほど、とても難しく経験や多様な技術が必要ですが、
静かな佇まいでありながら、力強い野菜と向き合うことができるフランスの市場に
足を向けずにいられません。
初めてみるトマトの表情は刺激的